softshackle_1softshackle_2
 伐倒材の牽引や、スタック車両レスキューのためのアンカーや牽引点の構築に活躍。金属を使わない安全度の高い牽引システムを組めます。

 この軽くて強い高強度繊維ロープ製のシャックルを紹介してみましょう。邪魔になるものではないので、車に一つ積んでおくと必要になる場面もあるかも知れませんよ。

【スペック & 用途】
破断荷重:7,000kg
材  質:ダイニーマ製
重  量:約92g
サ  イ  ズ:長さ約20cm、太さ10mmロープ使用の中通し二重構造

IMG_3480のコピー (1)特  長:牽引の際に、金属同士で接続をしない様に出来るので、万が一破断した場合にもスチール製のカラビナやUシャックルを使用した場合よりも安全度を高められます。

 また、長さが20cm程度あるために、スチールカラビナやUシャックルでは回せない太いもの、または幅広いものにも対応ができます。
 接続する相手を傷つけたくない場合にも有効かも知れません。そして、軽い!

ア  プ  リ:『動的な瞬間荷重が強い場合の対策に』---以下の様なケースにおける使用時のショックの緩和、損傷回避、また破断時の安全対策にIMG_5511のコピー (1)

1)重量材の牽引作業を行う際にリダイレクト(方向転換)が採れない直引きの場合に使用。チールカラビナ・Uシャックル等の金属部材を使わずにロープ牽引できる・・・高強度繊維ロープを活用してPCウィンチローププーラーなどでロープ牽引作業を行う場合でも、金属部材で接続しないため、万が一の破断時でも作業者への安全度が高くなる

IMG_4366のコピー (1)
2)スタック車両レスキュー用に・・・牽引用のフックが車両に付いていない場合に、長さ20cmのソフトシャックルを使って牽引点を作る。
 右画像は、軽トラックですが、リア側には牽引フックがないので、リアサスペンションの取り付け部にソフトシャックルを回して牽引ロープを結びました。大型のUシャックルやスチールカラビナでは、何処にもフック出来るところが無いからです

IMG_4440のコピー(2)
3)ポータラップをベルトスリングで設置する際の接続用に・・・専用のデッドアイスリングが無い場合には、代わりにベルトスリングを用いてポータラップを設置する場合の接続用にソフトシャックルを使えば、金属同士の接続を回避出来るので機材の破損対策に有効

 では、以上に付いて詳しく精査してみましょう。

【ソフトシャックルの仕組み】
 ソフトシャックルを初めて手にする方はちょっと戸惑うかも知れませんので補足説明を致します。
IMG_4230のコピー (1)IMG_4229のコピー (1)IMG_4228のコピー (1)





 この編み方のロープは、ロープ本体の中が中空になっているので、末端がグルっと回って戻り中に入り込んで元まで戻っているんですね。つまり二重構造となっているのです。

 そして大きなコブの状態に結んでいます。このコブの結び方は特殊なノットなので崩れることも解けることもない堅固なものなので、ギュッと絞って窄めた(すぼめた)輪の部分が抜けることが無いわけです。

 このノットの部分だけでもロープの長さがかなり必要ですから、商品全長が20cmということは往復で倍の長さ、さらにノットの部分でも相当な長さを使っているので、素材のロープ全長では60cmでは足らないかも知れませんね。
IMG_4232のコピー (1)IMG_4231のコピー (1)








 如何でしょうか。ご理解いただけますか。これは、他の商品でウーピースリングというものがありますが、樹上伐採の作業をされている方にはお馴染み、同様のロープ構造です。ウーピースリングは、その二重構造をもって木の太さに対応して長さを伸縮自在に調整して木にちょうど良い長さに変化させることができるスリングです。

 そして、此の二重構造のために、牽引の負荷が掛かれば木に巻いた内側のロープをその外側(被覆側)のロープがが締めこむために、引っ張られる強さがそのまま二重構造のロープ(シフトシャックルの場合にはアイの部分)を固定する強さとなることでホールド状態を保ちます。IMG_4411のコピー (1)






 さて、いままでの概念になかった便利なシャックルですが、このソフトな繊維をもったシャックルで車両などの牽引を行う場合には、鋭利な角やサビなどの摩擦が多いこともありますので、ダメージ対策のために当て革を用意した方が良いでしょう。
IMG_4360のコピー (1)


 自分の場合には、シャックルの養生のために分厚い革の安い手袋の指先を切って、糸の解れ対策には瞬間接着剤を糸と革にしみこませたものを用意してはめ込んでみました。


 これで、車のフックやフレームにソフトシャックルを設置しても傷まずに安心して牽引ができます。

 でも、皆さんは当て革をもっと格好が良いものを使って仕上げて下さいね。




【ケースバイケースでロープの種類を使い分ける】---ダイニーマロープの運用注意点
 林業全般で高強度の繊維ロープが活用され始めていますけれど、ロープにはそれぞれに特性があり用途に応じたものが様々にあります。ただ強度があれば良いという訳ではありませんね。IMG_4106のコピー (1)

 ロープ単体での性能・特性だけでは判らない現場での適用特性がそれぞれに違います。





 さて、此処でのお話は牽引に関してのこととなります。重量物の牽引を鋼を素材とするワイヤーロープに取って代わる高強度の繊維ロープの運用方法についての豆知識ですね。

 まず、今回のお題であるソフトシャックルの素材はダイニーマ。繊維ロープの中でも強度が高いので有名です。また、呼び名は違いますが同じ素材の製品があります。

 近年では、林業においても使われる様になって来たので林業機械屋さんにもドラム巻で置いてある場合があります。

 ところが、このダイニーマのロープは用途が非常に狭いんですね。何故か? そもそもダイニーマロープの使用注意書きにはロープ末端のアイを作る方法、アイスプライスの手立てが説明書きとしてついて来ます。

 これは、ダイニーマロープは、結び目、いわゆるノットを作ると途端に強度が低下するからの様です。ダイニーマロープは結んで使うものでは無いのですね。下左の画像の様にシンブルを入れたアイを作って使うのが安心です。
IMG_4449のコピー (1)IMG_4447のコピー (1)










 また、素材と編み方との関係で表面がツルツルなので滑りやすく、補助ロープを使ってのフリクションノット(右上はクレムハイスト)や、またロープクランプ器具での制動を行いにくい特性があります。
 摩擦不足でロープが滑ると溶断に繋がりますし、木に巻いてフリクションを得ようとする様な使い方をしても木に食い込んだ時に同様に摩擦で溶断につながります。

 下の画像はフリクションノットのうちクレムハイストを使って、ロープの途中にプーリーを設置して3倍力でのロープ牽引システムを作る手法ですが、メインロープがダイニーマ製だと不可能になります。IMG_4050のコピー (1)

 つまり、此の様にロープの長さがあった場合には、ダイニーマのロープでは、中間のところに牽引点を作れないのです。要するにロープの端と端だけでしか引っ張れないということ。

 勿論、強度低下を考えなければロープの途中にノットを作ってアイを設定すれば、そこを引っ張ることは出来ますが・・・

 ですから、林業事業体でのこのダイニーマロープの使い方は、ウィンチドラムに巻き取る方法に限られています。P1060432 (1)

 わたしもサムソンのアムスティールブルーというダイニーマロープ9mm(破断強度8.9t)を持っていますが、もう6年くらい前に試しにロープクランプを使ってチルホールの0.75tで引っ張ってみたら、ロープが滑って溶けていました。(;_;)

 その際には、滑りすぎない様にロープクランプの後ろにノットを作っておき、また硬く締まりすぎない様に枯れ枝をさしておいたのですが、クランプが滑った距離は凄く短かったのにもかかわらず滑って溶けてしまい青色の樹脂がロープクランプ側にこびり付いていました〜。

 高いロープだったのに残念です。きっと掛かった応力が、ロープが滑ることで熱に変換されやすくなって溶けたのでしょう。
 つまり結び目を作ると応力が掛かれば結び目の中でロープが動きますから、上記と同じ様な作用で溶けて切れるのではないでしょうか。

 また、ODSKさんでも試験場にダイニーマロープを持ち込んでノットでアイを作って破断テストをしたところ破断強度が3tのロープが1.3t程度で切れてしまったそうです。

 ですから、牽引時のロープを長さ自由に使いたい時にはリギングロープ(10mmで破断強度3t程度、12mmで4t位の強いものがあります)を使いましょう。中間にはアルパインバタフライでノットを作っても良いですし、前出の様に、プルージックロープでフリクションノットを作って牽引点を容易に設置できますから。。。
 その場合にもロープは絶対に滑らさない様に。ロープは滑らせると傷みますのでご注意を。

 
【アプリの(1)について】
 此れは小規模の搬出をやっていたり、また車両が泥や雪でスタックしたときに起こりがちなケースです。

 リダイレクト(方向転換)が採れないために、牽引対象と作業者が直に相対してしまう作業の場合です。今までは重量物の牽引作業の際にはワイヤーロープしか選択肢がありませんでした。IMG_3530のコピー (1)
 でも、今では高強度の繊維ロープあありますから、小規模林業の木材搬出でも、また支障木伐採の後の現場片付けでも、そして樹上伐採でもロープが活躍しています。

 ワイヤーと比べてロープが便利なのは、敷設もそうですがワイヤーロープと比較して後片付けが比較にならないほど楽で早いことです。画像の様に端からロープバッグに入れて行くだけだからですね。

 また、敷設の際にも、このロープバッグを担いで目標に歩いて行くだけですから、100m程度の距離であっても牽引作業がどれだけ楽になるか分かるでしょう。

 因みに上画像のロープバッグは、ArbProのバケットバックパック75Lですが、100mロープを入れた上にまだ余裕があり、またサイドポケットも付いているので、ブロックやスリングなどを入れて運べて便利ですね。

 勿論のこと、こう言った繊維ロープは、鋭利なものや泥、砂利などには弱いですからケースバイケースで使えば良いですし、ODSKで扱っている製品はどれも強度が強いのでワイヤーロープとの併用も可能です。
 前記した様なロープにとって良くない環境要素があるところだけは、そこの部分だけワイヤーロープを併用してもいいですね。

 さて、その作業者と牽引物が相対するような作業をしなければならない場合の話です。ギリギリの力尽くの牽引で、安全が担保できそうも無い場合には、繊維ロープのみでのシステム、それともワイヤーロープを使ったシステム、皆さんはどちらを使うでしょうか。

 また、繊維ロープを使用しても接続にUシャックルなどの金属アイテムを使うことがあります。
IMG_4413のコピー (1) 
 例えば、スタック車両をレスキューする場合。単独の場合には、昔からの常套手段はチルホールにワイヤー、そしてUシャックル、またはブロックでしょうか。

 複数の車両が居れば、ソフトカーロープとか単純にワイヤーロープ一本とか、距離が短ければベルトスリング一本で牽引ということもあります。

 その時に、車両との接続にはどの様なものをお使いでしょうか?

 勿論、シチュエーションによっては他にも色々選択肢がありますけど、基本的にはフックやUシャックルなどの金属の接続道具を使うことがほとんどですね。

 それで、スタック車が割と楽に引っ張り出せれば良いですけど、大抵はそんなことはなく、結構大変な思いをするものです。

 だって、大変な所だからスタックするわけで、そうでなかったら揉み返しで自己脱出するか、または人を頼んで押すことで脱出出来ますから。

 で、例えばですが、上の画像の様に牽引用具を設置して、強く牽引している時に車両に付いている側のフックがもげたらどうでしょう。作業者(作業車)と相対していたら、その人(車)に向かって金属部材の何かが飛んで来ますよね。そして作業者(作業車)を直撃したら非常にシリアスな状態に陥ることが想像できるでしょう。

 僕らはそんな状況でも作業しなければならない場合には、牽引する中間のワイヤーの上にジャケットとか有れば座布団などを掛けておくことを教わりました。

 もし破断が起きても、それらが先に動くので、そうしたら切磋に頭を守る様にするというわけです。
IMG_4398のコピー (1)

 でも、出来ればそんなシチュエーションでの作業はご勘弁願いたいものです。

 また、仲間から聞いた話でも、ロープを使った集材現場でもプーリーでリダイレクトした内角に居たら、アンカーが壊れて(カラビナかプーリーが壊れた?)プーリーがヘルメットを直撃して壊し、超危ないところだったとか。
 そんな事があるんですよ。

 その様な時のために今回のお題であるソフトシャックルは如何でしょうか。そしてロープのIMG_8051みの牽引システム(もしリダイレクトする必要がある場合にはリギングリング(右画像)を使えば最小限のリスクでできるでしょう)。

 右上画像では、PCウィンチ(ポータブルエンジンウィンチ)の牽引用の12mmロープ(破断強度3t)をソフトシャックルに繋いでいます。金属部材は一切なしです。

 これならば安心して牽引できるのではないでしょうか(右上画像のノットについてはページ終わりの【おまけ】の項をご参照ください。ワーキング館の中原氏から何のノット?と質問があり、また端末が短いんじゃないの?と言われました〜。末端は、直径の10倍以上出しましょうね...特にモヤイはすっぽ抜けやすいですから)

 PCウィンチがない場合には、ローププーラーがあります。プラロックなどの付属の牽引ロープが10m以上にもなる人力ウィンチですね(チルの代わりにもなる)。

 前出の画像の様にして3倍力システムも作れますし、また普通に牽引物(車両)側にロープ用のプーリー(ブロック)と、アンカー側にも同様にプーリー(ブロック)を設置すれば3倍力システムが簡単に構築可能です。

 なんと言っても、チルやワイヤーのシステムと違って、全てが軽量ですから扱いが楽なこともオススメの理由です。


【アプリの(2)について】
IMG_4370のコピー (1) 次に(2)に書いた事案は、最近の車両はフックが少なくて(格納式もある)、牽引点を確保するのが難しい場合が多いですね。

 軽トラックでさえもそうです。自分がスタックして助けて貰う場合もそうですが、他の車両を引っ張ったり、場合のよっては材を引っ張るのにもフックがなくて往生することがあります。

 その様な場合でも、このソフトシャックルがあれば、画像の様に太い部材に回して牽引点を作ることが可能です。

 他にはホーシング(左右の車輪を繋いでいるシャフトが入っているケース)などにも採れる場合があるかもしれません(あまりやらない方が良いですが)。

 此の様に、ソフトシャックルが設置出来ればプーリー(ブロック)も設置できますから、対応できる幅が広がります。如何でしょうか。
IMG_4375のコピー (1)IMG_4376のコピー (1)







IMG_3235のコピー (1)6IMG_2536 (1)










 また、ロープ用のプーリー(&ブロック)も軽量で強いものも色々ありますから、ロープと用途に合わせて選びましょう。


【アプリの(3)について】
 次はポータラップの設置についてです。テネックスロープで作られたデッドアイスリングは動的な瞬間荷重を受け止めるように作られたものですから、樹上伐採においてポータラップの設置は此方を使った方が良いでしょう。

 でも、地上での重量物の制御において簡単に済ませたい時にベルトスリングでポータラップを設置する場合がありますが、その場合にはカラビナかUシャックルなどの金属アイテムを介して設置するしかありません。

 動的な瞬間荷重が掛からないとしても金属同士が点で設置されているのは気持ちが良いものではありませんし、もし強い荷重が掛かった時には点での接触は物凄い応力が掛かりますから避けた方が賢明でしょう。
IMG_4444のコピー (1)IMG_4440のコピー (1)








 その様なケースでIMG_4434のコピー (1)は、やはりソフトシャックルではないでしょうか。









 また、画像にもあります様にベルトスリングがあと少しで届かないときにも、ソフトシャックルならば通すことができるんですね。

 ただし、ソフトシャックルの場合には、前に書いた様に負荷が掛かった状態で動くと溶ける可能性があるので、動いて擦れないくらいに絞ってから仕事をさせた方が良いと思われます。

 ところで、ODSKの在庫品で6インチの幅広ベルトスリングがあるのですが、必要な方は居られませんか?
 オンラインショップには載せていないものです。ソフトシャックルとの相性が良いかも知れません。
IMG_3481のコピー (1)IMG_3512のコピー (1)





 幅が6インチ、長さは6フィート、破断強度がストレート(バーチカル)で16.3tです。値段は15750円です。

 横に並べたのは、わたしが使っている普通の2インチ(5cm)幅の6フィート(1.8m)の破断強度バーチカルで3.2t、チョーカー(目通し)で2.5tのものです。

 この幅広ベルトスリング、Kさんが仕入れたらしいですが、いったい何に使うものなでしょうか? ご興味がある方はショップまでご連絡ください。
IMG_3513のコピー (1) 














【アイテム豆知識】
 さてさて、ソフトシャックルの重さは92gくらいでした。それでは、他のアイテムの重さはどうでしょうか。計測してみましたので、画像を載せてみます。IMG_4428のコピー (1)IMG_7006 (1)



 ISCのスチールカラビナは170gですね。破断強度は25kN(2.5t)。

 それから下画像の左、ソフトシャックルと同じくらいの強度の金属シャックルは190g(WLL1.5t)です。
 でも、大きさが小さくて、ロープ同士、ワイヤーロープ同士ならば接続が可能ですが、ベルトスリングでは使えません。
IMG_4427のコピー (1)IMG_4426のコピー (1)IMG_4432のコピー (1)





 ベルトスリングが使える大きさのシャックルの場合には、重さ838g(WLL2t)、黒黄の582g(WLL3.2t)となります。
IMG_4429のコピー (1)












 さて、ここでWLLという規格が出てきました。商品に刻印されていることが多いです。

 ODSKのお客様たちはご存知のことですが、此れからこういった商品を買おうという方のために書いてみますね。

 ODSKオンラインショップに掲載されている商品の強度については一様の書き方にはなっていません。と言うのも、メーカーの方で出荷する際の記載が様々な規格に則って書かれているからです。
IMG_0533 (1)
 例えば、此の様な表記があります。「MBS85kN WLL17kN」と書かれていますが、これは解りやすい方の表記ですね。

 MBS(Min Bleaking Strength)、壊れる応力がミニマムでどのくらいかということですから、85kN(約8.5t)まで掛けたら壊れちゃうよということです。

 そしてWLLが17kN(約1.7t)ということですからMBSの1/5の値ですね。
 つまり日本で言う常用荷重が約1.7tとなります。

 ですから今回の題材のソフトシャックルは破断強度が7tですが、運用面からの安全率を考えると1/5とか1/6になり1t強程度となります。IMG_3760のコピー (1)

 因みに、この解りやすく表記された商品は、ISCのコンパクトスプリングブロックです。アンカーにする立木にデッドアイスリングなどの繊維ロープで固定して使う滑車です。

 これも今回のソフトシャックルにも繋がる話ですが、金属をできるだけ使わずに行いたい作業の場合に使用するものです。
 つまり動的な瞬間荷重に対しての安全対策のためのアイテムです。そしてこれも軽い。

 コンパクトなロープ用のブロックが512gです。
ISCコンパクトブロック 画像は島根に於けるリギング講習の際のものですが、300kgくらいありそうな枝をカットして、ポータブルウィンチのPCW3000で引っ張りながら空中を移動して集材しているところです。
 小さいのに、その位強いのですね。

危険木処理WS用テキスト
 え〜、こういった道具の安全規格の内容については、わたしが行なっている掛かり木処理のためのロープワーク、小さな林業のための集材・搬出講習ではテキストにしたものを受講者に配布しています。



 わたし?わたくしは、ODSKサポートスタッフ、島根の縄文之森協議会の高濱と申します。ご挨拶が遅れて失礼しました。主に西日本での上記の講習会を行っています。

 それからスチールカラビナについて、若干お伝えしておきましょう。
IMG_7371のコピー (1)
 スチールカラビナも幾つかのメーカから出ていて少しずつ違います。

 大きな違いとしては、スクリューロック(ねじ式)とオートロック(2アクション)のものが同じメーカからも出ていますね。

 あ、それから牽引などの高荷重がかかる作業にはアルミ製のカラビナは使いません。
 アルミは限界を超えると一気に破断してしまうからですね。

 スチールのものは下記画像にある様に延びて変形します。

 さて、樹上伐採用には、殆どが片手で作業できるオートロックのものを使用しますけれど、地上での搬出作業の場合には逆に使いにくい時が多いのでスクリューロックのものを使います。

 特に講習会で作業を行う場合には、初心者の人たちはオートロックタイプの操作方法が分からずにスタックすることが殆どだからです(特に高齢の方たち)。

 そこで、スクリューをIMG_4433のコピー (1)閉め忘れるとどうなるでしょう。

 スクリューを閉めずに重量物の牽引を行うと此の様にゲートが開いてカラビナが広がってしまいます。

 また、スクリューをキッチリと閉めて最後までネジを回した場合にも問題が。

 それは、相当な高荷重(牽引力1tのPCW5000で3倍力を使った場合など)を掛けた時には、手でスクリューが緩まなくなることがあるんです。

 なので、自分の場合にはチェンソーパンツのポケットに小さなプライヤーを入れています。

 また、スクリューは最後までネジって締めたら、その後に1回転以上戻した方が良いですね。カラビナのネジのピッチは細かいので1回転以上です。Uシャックルの場合には1/4程度と言いますが、これはピッチが粗いからです。
IMG_4446のコピー (1)
 Uシャックルにも色々ありますが、強度があり、また幅のあるものはどうしても重たくなります。

 現場の場面場面で要求される道具はそれぞれに異なりますから、軽くて強く、そしてより安全な繊維ロープのソフトシャックルが活躍する場面があることと思います。

 自分的にはお気に入りのソフトシャックル。

 平成の最初頃には真冬の富士山の林道を五合目までジムニーでアタックするとか、そのまた何十年も前の昭和の時代には、富士山のテッペンまでバイクで登ってしまう様な罰当たり山岳アタックを色々やっていまして、今ではその所業を反省して、山造りとか森林保全をしつつ贖罪をしているところなんです。

 それでも、山に行くとついつい車で奥まで入っていってしまい、挙句にスタックすることが有りがちなため、こういった牽引道具類は必須なんですね。

 山仕事も、そして山暮らしも道具と智慧ありき。道具を使いこなしてこそです。以上
IMG_4391のコピー (1)

【おまけ】
 念のため、ご存じない方のためにアップしてみます。

 車に高強度の繊維ロープを一本積んでおくと様々な場面で役に立つことがあったりしますが、それがない場合のお話。例えばスタック車両レスキューの際のロープテクニックです。

 という程のこともないですが、簡単なチェーンノット(鎖結び)が出来れば、ストレートでは切れてしまう様な高荷重作IMG_4393のコピー (1)業にも効果的です。

 割と平らなところで泥や雪にはまった場合には、ちょっと強度がある9mmクレモナロープ位でも車を引き抜くことができます。

 勿論、高強度繊維ロープを使う時のレスキューにも有効です。

 何故ならば、はまった車両を引き抜く際には、ただ引っ張るだけでは牽引車両が四駆であってもタイヤがスリップして牽引力が発揮できない場合があります。

 そういう場合には、ある程度の勢いをつけて溜めを作ってから曳くことを行います。その際の瞬間荷重を緩和すると同時にロープに反力を溜め込んで勢いをつけると牽引力を強めることが出来るからです。

 そのためには、チェーンノットで吸収してエネルギーを溜め込むと効果がより高くでます。また、万が一ロープが傷む場合にも端に近い方だけにすることもできるかも知れません。

 何にしても、なんでもかんでも車に積んでおける訳ではないので少ない道具で工夫して作業を行う必要があるでしょう。

 ノットも、あとで解きやすいものでないと、ロープを切って捨てる事になりますからね。わたしの講習会ではその様な際の知恵をお伝えしています。知っている人は知っておられますが、知らない人でこんなところまで読んだ方へのサービス。

 本記事でソフトシャックルにつないでいる牽引ロープの結びは、すべてモヤイ結び(ボーラインで末端が外側に出ている)ですが、最初の輪はWにしています。そうするとノットが固まりにくいんですね。

 でも、山岳クライミングの際に使うモヤイ結びの場合には、保険のためにロプの端末をもう一回回してからWにして本線に沿って戻します(巻き方向を間違えるとノットが解けるので注意。)。
 または、SRTなどのボトムエンドにランニングボーラインを使う際のにロープが抜けない様にするために使う端末処理の方法です。が、この牽引の場合には意味がありません。牽引に使う場合には最初に作る輪を二重にします。

 端末をWにするのは命綱などに使うためにロープがすっぽ抜けない様にするための結び方です。昔、山で普通のモヤイ結びを使っていて相当な方が亡くなったからですね。

 そのために、山岳クライミングで人間を確保するためのアイを作るだけならば、そのモヤイ以降ではWフィギアエイトノットを使います(ただし、牽引で使うと固まって解けなくなる)。
IMG_4405のコピー (1)
 それから、あまり役に立たない話ですが、ジムニーなど昔の四駆は頑丈なフレームが入っているものが殆どなので、付けているバンパーもしっかりしています。

 あまりやらない方が良いですが、泥に埋まった時などは、こんなソフトシャックルの使い方もありますね。

 それでは作業ご安全に。