※本記事の続編を2020年9月30日にこちらのブログにアップしました。「共立CS43RS(新ダイワE3043SP)の実力は?---あらためてカッティング速度テストをしてみた。相手は名機と云われたハスクバーナ346XP(4.8kg」
【刷新された軽量ハイパワーの43ccチェンソーと、軽量でよく切れるオレゴンスピードカットシステムの組み合わせで軽量・低燃費のお仕事マシン構築は如何?】

チェンソーネタが続きますが、オレゴンの軽量カッティングシステムであるスピードカットバー&95TXLソーチェンーのセットと、クラス最軽量(本体重量4.3kg)のやまびこの43ccチェンソー、共立CS43RS・新ダイワE3043SPを組み合わせると、樹上伐採用のより軽量でパワフルなマシンに仕上げられる、というお話です。
スピードカットの18インチバー装備で、燃料オイルをフルタンクにした装備重量で、なんと5.7kg! 持った人はその軽さにみんなビックリします。本体重量が4.3kgだから実現できる重さです。
最近のやまびこは結構攻めていますね。前の記事に書いた50VのバッテリーチェンソーBCS510Tも3kgちょっとと軽い上に、50Vの力をもってトルクががあり、ちゃんと仕事に使える道具に仕立て上げられています。

ちょっと古い道具の話になりますが、同じクラスのハスクの名機である42ccの242XPが本体重量が4.7kg、その後継機の46cc(実質45cc)の346XPが4.8kgです。マグネシュームのクラッチカバーとか金属多用していて丈夫ですからね。此のやまびこの新型43ccは4.3kg。
この本体の乾燥重量(オイル、燃料なし)が4.3kgと言うのは、10年くらい前に使っていたことがある、排気ガス規制前の日本の中型機の名機、40ccの新ダイワのE1039Sと同じ重さです。

当時、軽くて力があってよく仕事をするチェンソーでした。肩に担いで現場までの経路を登っていたのを覚えています。
ですから、よりパワフルになった最新の43ccチェンソーが当時の40ccの重量に戻ったのですから結構感激です。
後述しますが、やまびこの旧機種の42ccの共立CS42RSとハスクの242XPをオレゴンのスピードカット16インチで揃えた同条件でカッティングスピードを計測すると、高回転型の242XPよりも低中速のトルクが強い共立CS42RSの方がタイムが速いんですよね。
そして、同じ18インチのスピードカットシステムを装着して、燃料とオイルをフルタンクにした装備重量を測ると、242XPが6.2kg位で、346XPが6.4kg位となります。最新のやまびこは同じ条件でも、5.7kg位ですね。如何に軽いか分かるでしょう。
この346XPは346XPneになって50ccで本体重量が5.0kgになりました。その後継機は550XPで若干軽くなりましたけど550XPMrk2でガッツリ重くなって本体だけでも5.3kgあります。そしてハスクは燃料タンクが若干大きめです。
その様な条件を考慮しつつカタログスペックに載っている本体重量だけでなく、実際に作業をするときの装備重量の問題と、刃の入りが良い薄い刃=軽いカッティングシステムを装着しての排気量ダウン=軽量化について考えてみましょう。
まだ、直接比較ができていませんけれど、同じカッティングシステムを装着して比べても、共立CS43RSの方がハスクの346XP旧型46ccよりもカッティングスピードが高い可能性があります。
もしそうであれば、今の50ccクラスのチェンソーには及ばなくても、大分近いくらいの仕事能力があることになりますからね。タイミングをみて比較してみましょう。

さて、この共立CS43RS・新ダイワE3043SPは、安定した性能で人気があった中型機の共立CS42RS・新ダイワE1042Sが昨年の秋にモデルチェンジされたもので、中身は全て刷新されています。
新機種の大きなポイントは、『30%のパワーアップ』と『200gの軽量化』です。吸気系と掃気系が見直されて、新しい技術を導入して実現したパワーアップは、実際にハッキリと実感できるものとなっています。
その30%アップの比較対象は、旧機種のCS42RS・新ダイワE1042Sの兄弟機ですが、此れらはハスクやスチールの様な色気や肉食系の頑丈さのオーラは無いものの、例を採れば、ちょっとお淑やかだけど細かいところに気が利いていて、放っておいてもご機嫌を損ねずに、縁の下からしっかりと生活を支えてくれる足腰のしっかりした昔の日本の女性(失礼!)の様な佳き母や妻みたいな雰囲気の機種でした。

上画像の一番手前の機体がそうです。この時は、スピードカットシステム(1.3mmゲージの95TXLチェーン)の13インチを装着してボサ刈りスペシャルにしていました。
ところが、この42ccのCS42RS(新ダイワE1042S)は地味なくせして良い仕事をするんですよ。低中速のトルクが強いからなんでしょう。
ハスクには、かつて名機といわれた242XPという42ccの機種がありまして、この242XPの極上の程度のものを持っています(他に42、242、242XPの部品取り&二個一用が8台位あります)が、ノーマルで15500rpm回る調子の良い242XPでも、比較するとCS42RSの方がカッティングタイムが良いんです。※両方とも16インチのスピードカットシステムを装着した上での速度比較です。
多分、242XPは高圧縮型ショートストロークのエンジンなのだと思います。と言うのも真冬にエンジンを掛けようとしても、圧縮が凄くてスタータが動かない時がありますからね。60ccの560XPの方がまだ掛けやすい位です。
242XPの様に上の回転は伸びませんが、CS42RSは隠れ節などに力負けしてエンジンが詰まることが少ないんですね。ところが、新型のCS43RSは、この旧型のCS42RSが負荷で負けてエンジンが詰まるところを平気で伐り進んで行きます。


軽トラの二台の奥3台がハスクで手前2台が共立です。昨年の夏なので、此の時にはまだCS43RSは手に入れていませんでした。と言うよりも発売になっていませんでした。
此の時のテストに使った丸太は枯れ赤松であまり目が詰まっているものではありませんでしたが、同じ太さの部分が延々と長いので、チェンソーを取っ替え引っ替え3回(3日)もテストできました。

このテストの目的は、1.3mmゲージのスピードカットシステムを小さい排気量のチェンソーに装着して60ccのハスクの21BPXチェーンをつけた560XPにどの位迫れるかという無謀なものでした。(^-^; 個人的興味からですが。
丸太の部分にも拠るのですが、時として42ccのCS42RSが560XPに迫るタイムを出す時が有ったのですよ。
そして、CS500のタイムが意外と伸びないのは、前の記事に書いた石見エコーさん(元、やまびこ西日本のパイロットショップだったが現在は独立:やまびこ、ハスク、スチールなどの代理店)によると回転数で稼ぐタイプに造っていないからとのことで、負荷が高い木の時には差が大きく出るだろうとのことでした。下の表は機種間のタイム差の関連性が分かり易い様に整理したものです。

機種間のハンデが出来るだけ出ない様に、シリンダ、ピストン、リングの状態が良い様に整備してあるものを使用していることと、また新品のメーカ出しの状態のソーチェーンを使ったり、使用品はしっかりと目立てをしてテストに臨む様にしました。
ま、目立ての腕ということも心配ですが、一応老眼で目視が大変ながらジット・ネットワークサービスのランク4審査会の目立てテストの際には、あの厳しい石垣氏(伐木造材のチェンソーワークの著者)のチェックを受けて、100点満点中93点を取得していますから、そんなにムチャクチャな目立てにはなっていないと思います。
その石垣氏もお気に入りのCS43RSとCS500ですが、何もクラス最軽量の部類です。そして、数値的にも実力があるCS42RSを刷新して、やまびこがリリースしたのがCS43RSという訳ですから、十分期待できるでしょう。

前回の記事に書いたバッテリーチェンソーのBCS510Tと並んでいるのが、CS43RSですが、黒の樹脂を使ったデザインは共通の雰囲気がありますね。


少しボディは大きくなりましたが重さは旧機種よりも本体重量で200g軽くなっています。ドイツのスチールも大型機が軽量化されていますが、これってすごいことではないでしょうか。
今は車もそうですが、機能優先と言うよりもラグジュアリー化で様々な便利機能と居心地を重視して肥大化しています。エゴの肥大化(インフレーション)と言う言葉がありますけれど、正しく相似的に製品が人の心の在り方とリンクして肥大化しているのが現代でかもしれません。
道具も車も軽いほど、本来の機能が発揮出来ますし、人の心も軽い方が自分も周りも幸せにする機能を発揮させるでしょう。
200g軽量化したその上で、このCS43RSは、吸気系と掃気系を刷新して前機種のCS42RSよりも30%もパワーアップしている訳ですが、この辺りの詳しいことについては発売前の昨年夏に自分のブログに記事にしてありますのでご興味がある方はご笑覧ください。
続きを読む